この記事では、定年退職後も働くことを考えている60歳前後の方に向けて、おすすめの資格をジャンルごとに解説しています。
最近では、平均寿命が伸びたり、年金支給開始が65歳に後ろ倒しになったりと、様々な変化がありますよね。定年退職後もなかなか年金だけでは暮らしていけないという高齢者の声も、ニュースでよく目にします。
65歳という節目を過ぎても、生活をしていくために、仕事を求める方が増加しています。資格を取得することで、すこしでも希望の仕事を獲得できるのでしょうか。資格取得が、定年退職後の再就職に有利に働くのかどうかについても、この記事では説明していきます。
高齢者の資格取得は、再就職の際、本当に有利に働くの?
求人サイトや広告の欄に「資格保有者優遇」という文字を見たことがある方は多いのではないでしょうか?
一方で、企業の採用担当者の視点に立つと、65歳を超えて体力や記憶が衰えていくいわゆる高齢者の採用を決めるのには、いくら資格を持っていても、勇気がいる決断だということも想像できちゃいますよね。
ここでは、いくつかの求人サイトやアンケート調査から、60歳以上の方の再就職のシーンでは、資格を保有していることが有利に働くのかどうかを検証していきます。
①求人サイトには「資格保有者特集」が組まれているケースも
CMでおなじみの求人サイト「type」には、「資格が活かせる厳選企業多数! 資格保有者優遇の求人特集」というものがあります。
業種や地域にもよりますが、入社後に特定の資格保有を求めているところもあります。例えば、運送業関連の企業であれば、大型免許の取得が必要なのは想像できますよね。
採用する企業側の立場からすると、入社後に資格取得のために育成期間を設ける時間や費用も考えなくてよくなりますので、「資格保有者を優遇するメリット」はあると言えるえるのではいでしょうか。
②「資格保有者必見!」という求人も多数
シニア向けの求人サイトでは、特定の資格名をタイトルに記載して「保有者必見!」と目を引く形で投稿している企業が多くありました。
もちろん、どんな資格でもいい!というわけではありません。こういった求人サイトに掲載されている投稿を参考にして、どういう資格なら優遇されるのかを調べていくのも重要だと思います。
③口コミランキングなどから、特定の資格保有は再就職に有利という結果に
2022年8月に、株式会社レビューが発表した「高年齢者が再就職するときに職業選択肢を増やしてくれる資格」アンケートによると、1位には「マンション管理士」2位「衛生管理者」3位「電気工事士」4位「電気主任技術者」5位「ボイラー技士」という結果になったことががわかりました。
これらの職業に共通している点は、「肉体労働でないこと」「需要に対して供給が追いついていない」ことにあるのでしょう。
このアンケートは投稿や口コミの集計でもあるため、ある程度「資格保有者は、再就職に有利」と言えそうですね。もちろん、「取得する資格による」という前提です。
取得する資格は、どのように選ぶのがよい?
シニア向け求人サイトの募集業務から逆算して、需要がある資格を選ぶ
日本国内には数多くの資格がありますが、その中から需要がある資格を選ぶようにしましょう。
想像しやすいと思いますが、年齢や体力的な事情から高齢者が取得後に実用的な資格は、若い世代よりも限られます。
高齢者にも需要がある資格を保有することで、その後の雇用状況も良くなっていきます。そういった生の情報から資格をさがすためには、シニア向けの求人サイトをチェックしてみるのがお勧めです!
過去の自分の経験や実績が、しっかりと活かせる資格を選ぶ
若い世代とは違い、今まで膨大な経験を積んできた世代ですから、自分の経験とつながる資格を選ぶこともおすすめの探し方です。
「資格取得はしてこなかったけれど、十分実績を積んできたはず」なんて方は多いのではないでしょうか。
これまでの蓄積やご自身の強みを最大限活かして、自分に最適な資格を取得することも考えてみてくださいね!知り合いに自分の評価を客観的に聞いてみるのも、新しい発見があってお勧めですよ!
60歳を超える方に、おすすめの資格を解説!
A 金融関連の資格
日商簿記
簿記とは、企業の経営状態を整理して。経営成績や財政状況をまとめる技能です。
各地にある商工会議所が実施しているのが、この日商簿記検定です。
簿記は、今多くの企業が必要としている資格で、ITパスポートやTOEICなどと並んで、選考で大きなアピールポイントになります。
特に2級を保有していればより高い評価を得られ、再就職の壁もますます低くなります。
試験形式ー記述式
合格率ー3級→47.4%、2級→18.2%
級数ー3級、2級
受験料ー3級→2,850円、2級→4,720円
勉強時間ー3級→100〜150時間、2級→200〜250時間
ファイナンシャル・プランナー(以下:FP)
FPは、顧客の人生をファイナンシャル・プランニングする専門家です。
「ファイナンシャル」とありますから、人生の計画を金銭的な面で考えるものです。
主には「ライフプランニングと資金計画」「金融資産運用」「タックスプランニング」「リスク管理」「不動産」「相続・事業承継」の6つのポイントを中心にした知識が必要です。
多くの企業から必要とされる資格であるだけでなく、自分自身の人生設計を考えるきっかけにもなるでしょう。
※注意〜ファイナンシャル・プランナーというのは、職業の名前で資格名ではありません。
この職業に就くための資格には、国家試験であるFP技能士(1級〜3級)と民間資格であるAFP(FP技能士2級水準)、CFP(FP技能士1級水準)があります。
B 販売関連の資格
販売士検定
日本商工会議所が運営する資格です。
商品の需要を考え、商品の開発から販売までを効率的に行うための知識が必要とされています。
商品販売があちこちで行われているように、販売士の需要が高い業界もたくさんあります。
小売業やサービス業、物流会社でも必要とされることが多いです。
小売業やサービス業は、シニア世代の就業数も多いので、楽しみながら働けるかもしれませんね。
試験形式ー 択一式
合格率ー3級→54.7%、2級→60.6%
受験料ー3級→4,200円、2級→5,770円
勉強時間ー60時間
C 技術関連の資格
電気主任技術者
電気工事を担当する責任者です。
この資格を保有することで、発電所、変電所、工場やビルといった建物の電気設備の保安監督になれます。
この資格の需要は高いです。
なぜなら、電気設備を持つ事業主が電気設備の保安の担当者として、必ず電気主任技術者を選任することが法令で義務化されているからです。
目安の勉強時間が1000時間を超えるため、計画的に勉強していく必要があります。
試験形式ー記述式、択一式
合格率ー30%
受験料ー5,200円
勉強時間ー1,000時間
4 不動産関連
管理業務主任者
マンション管理業者が管理組合などに対して、管理委託契約の説明や管理事務報告をする際に必要な国家資格です。
上記の業務内容は管理業務主任者の独占業務で、また集合住宅が増加していることから需要が高い資格と言えます。
そしてこの資格は、住人らの話を聞く機会が多いという職業柄、人生経験が多いシニア層の人に向いているとも言えますね。
試験形式ー四択一式
合格率ー22.2%
受験料ー8,900円
勉強時間ー300時間
その他〜マンション管理士(コンサルタントとして仕事するならおすすめ)、宅建など
まとめ
さて、本記事では、定年退職後に働くことを意識して、勉強をはじめたおすすめの資格について解説してきました。
何度も言いますが、若い頃とは違います。年齢や体力的な理由で仕事の選択は限られますが、人生経験は豊富なはず。社会は、あなた方高齢者を求めています。自分の持ち味を活かして仕事を見つけていきましょう。
いよいよ、資格を取得をした後に、実際に仕事を探そうとしている方は、こちらの記事もあわせてご覧くださいね。
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