2019年に金融庁が発表した「老後2,000万円問題」は世の中を戦慄させました。この数字には全く根拠が無いと批判もありますが、老後の蓄えは必須ですよね。
現在は物価高で先行き不透明な時代で、将来に対して不安は高まっていきます。定年退職後は第二の人生を自由気ままに生きたいと思っていても難しいかもしれません。
定年退職をしたからといって、体力が急になくなるわけでもありません。生活を豊かにするために働き続けることは、もはや普通のことでしょう。
好奇心があれば定年後も新しいことにチャレンジすることも可能ですよね。再雇用だけではなく、資格をとってみたり、いままでと違った分野で仕事を見つけたりするともできます。
今回は定年退職後の生活に不安を抱えている方に向けて記事を書きました。みなさんがよりよいセカンドライフを送れるように少しでも役立てればいいと思います!
定年退職後の生活を不安に思う世帯は約8割
2021年に金融広報中央委員会が「老後の暮らしで経済面の不安を抱える世帯は約8割」と調査発表を出しています。
60歳(最近では65歳)になったら仕事から解放されると思い、頑張って来た人も多いでしょう。しかし現実は厳しく、多くの定年退職者が老後の生活のために働き続けなければいけません。
定年退職後は投資に挑戦しようという考えもあると思いますが、投資にはリスクもあります。年をとってからの失敗は取り返しがつかない可能性が高いです。
老後資金を貯めるために貯蓄を頑張ってきた人もいるでしょう。現役生活のお仕事で、この後のすべてをまかなえると言い切れるぐらいまで資金を貯められたのであれば、将来の生活に不安を感じることはないかもしれませんね。悠々自適に、セカンドライフをエンジョイしてください。
でも、もしかすると、あなたの意図しないことが起こるかもしれません。大病になったり、介護が必要になったりしたらどうでしょうか。人生はちょっとしたきっかけで崩れ落ちることもあるんです。
予測できない物価高。年金だけで暮らすのが難しいひとも
ゆとりある老後を送るには、年金だけに頼るのは厳しい。これは多くの人に当てはまります。
例えば、2022年の初頭に起きたロシアのウクライナに対しての軍事侵攻と円安ドル高による物価高は常軌を逸しているといっても過言ではありません。ニュースを見ていても値上げにつぐ値上げで気分が滅入ってきます。
でも、よく考えてみましょう。物価が上がったからといって、比例して年金額が増えるわけではありません。このような事態になることを、2021年時点でどれくらいの方が予測できたでしょうか。
また、そもそも年金の資金源は現役世代の負担によって変動します。人口が減少し、少子高齢化が進み、納付と給付のバランスが崩れています。2025年から団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になってしまうんです。賃金が増えていないまま、現役世代の負担が増加すれば支給額がもっと減る可能性があります。
もし年金額が月に1万円減ったらどれだけのダメージでしょうか?考えるだけで怖いですよね。
じつは、定年退職後にのんびりできる人が少ない!?
「定年後は好きなことをしよう」「夫婦で旅行に行ったりして楽しもう」と考えている人もいるかもしれません。
計画は練っているときが一番楽しいのであって実践に移ると飽きも早いものです。数か月もしないうちに暇だと感じ始めるようになってきます。長年身体に染みついた労働する気持ちが消えてなくなることはないと思います。
健康寿命が延びているので、現役時代と比較してもそん色なく身体を動かせる人も多いことでしょう。それに、なにかと社会との関わりを持った方が、メリハリのある生活を送れる気もしませんか?
また、既婚者だと旦那さんがずっと家にいると嫌な気分になる奥さんもいらっしゃいます、夫婦水入らずでまったりしたいのは、毎日ではなく週に数回など工夫が必要かもしれませんね。
定年退職後でも、仕事をするのが当たり前の時代
現在は「人生100年」の時代。医療も発展しているため、今後は70代ぐらいまで働くのが普通の世界になるかもしれません。
「えー!?」という気分になってきますが、そういう時代になったんだと受け入れる気持ちも必要です。
確実に言えることは、定年したばかりの60歳(65歳)でリタイヤする時代ではなくなっています。定年後も人生は長く続きます。長生きすればするほどお金も必要になってきます。働けるうちに仕事をするのは正しい選択でしょう。
お金に不安を感じてビクビクしているのであれば、働けるうちに働いていた方が心身共に充実します!
では定年後にどのような仕事を見つけるのでしょうか?考えられる定番の働き方、探し方は次の4通り。
同じ企業で、再雇用制度を利用
「高年齢者雇用安定法」によって、企業は定年後も仕事を続けたい従業員を65歳まで雇用することが義務付けられています。定年後も仕事をしたい場合はこの制度を利用するのがもっともスムーズですね。
なんといっても、仕事を探して面接する手間がありません。これが再就職だとなかなか大変なんです。
新しい職場環境で仕事を覚えたり、人間関係を再構築したりしないといけません。働く以外にいろいろな面で疲弊してしまいます。一方で、再雇用は給与も下がりがちです。責任の重たさが減るとはいえ、不満を持つひとも少なからずいるとか。メリットデメリットの両面がありますよね。
シニア向けの求人サイトの活用
60歳を過ぎた方が再就職先を探す方法として、ハローワークや転職情報サイト、シルバー人材センターがあります。シルバー人材センターはあまり聞きなれないかもしれませんが、全国の都道府県または市町村にある求職支援施設。
また、転職サイトはシニアの再就職が増えているので求人数も少しずつですが増えています。例えば「リクナビNEXT」や「シニアジョブエージェント」といったサービスがありますよ。
ただ簡単に就職できるわけではなく、その道のスペシャリストや資格があれば別ですが、正規雇用されるケースが少ないです。
無理せず、近所でパート・アルバイトの検討
パートやアルバイトなどの非正規雇用は募集が多く仕事が見つけやすいです。
生活にゆとりがあり、社会との繋がりや健康のために働こうとしている方には最適な選択と言えます。週に2〜3日、半日だけ働きたいといった要望などに応えてくれます。
正規雇用が希望だけど、非正規の仕事をしている場合は給与面で満足行かない可能性が高いです。
他にもパートやアルバイトは職種の幅も狭く自分好みのものを選ぶのが難しいかもしれませんね。
知人の紹介や顧問サービスへの登録で、企業の監査役やアドバイザーに
現役時代に作った人脈や仕事の実績があれば、こういった企業の重要なポジションでの再就職の道がありそうです。専門的な知識や経験をベースに、月に数回ほど会議に出て、助言をする。そんなに肉体的にもつらい仕事ではないので、うまくポジションを見つけられたらラッキーですよね。
ただし!友人や知り合いなどを通じて紹介された場合は、色んなことを気にしてしまうかもしれません。面接のときに条件を聞いて納得ができなくても希望を言いづらかったりしますよね。また、何かうまく役回りをこなせなかったら、知人の顔に泥を塗ることにもつながります。何かと、人づてのしがらみが多いのが特徴です。
そこで、最近話題の顧問やアドバイザーサービスに登録をしてみるのをお勧めします。50代からでも登録できるサービスが多いので、試しに引き合いがあるかどうかをいまのうちからチェックしておくのもありかもしれませんよ。
「資格」に挑戦してみるのも面白い
さて、ここまで定年退職後の仕事やその探し方についてみてきました。なかなか、自分が希望する仕事ができないことも多そうです。給与も下がる可能性が高いため、モチベーションの低下に繋がりやすいです。
みなさんは定年を迎えて、セカンドライフを楽しむために、どのような準備を考えますか?
準備のひとつとして、お勧めなのが「資格」です。
60歳を過ぎて、新しく勉強することにどんな意味があるのかと思われるかもしれませんが、資格取得は脳を活性化させつつ、定年退職後の仕事探しにも有利に働く、一石二鳥の活動だと言われています。自分に合った資格を見つけて取ることは、人生の幅を広げてくれますし、なにより60歳を過ぎてから、なお自身の成長が実感できたりもします。
「単なる趣味の民間資格では稼ぐことができませんが、国家資格のような稼げる資格を選んで取得すれば再就職にも有利に働きます。なかには、独立して働けるようになる資格もあります。どうです?夢が広がっていきませんか?
定年退職に向けて取得しておきたい「お勧めの資格」はこちらの記事にまとめてみました。良ければぜひご覧ください。
また、自分に合った資格を直接探すなら「ユーキャン」は評判が高いのでおすすめですよ。
まとめ
充実したセカンドライフを送るには自分自身の行動によって大きく変わってきます。パートナーがいる方はお互いの将来に向けて考え、話し合うことも必要だと思います。
定年退職後に収入を得るために再雇用や再就職を目指す時代です。ですが、お金を稼ぐために仕事をするだけでは心は満たされません。
定年退職後は現役時代と比べると時間の余裕が生まれてきます。ここで資格を取って新しい仕事にチャレンジしてみることもおすすめです。
- 自分がセカンドライフを通じてやりたいことを探す楽しみ
- 新しい世界をのぞく・知る・学ぶ楽しみ
- その資格で、新しい仕事を見つける楽しみ
- 定年後にも仕事をすることで、経済的にも余裕ができる喜び
少しでも、セカンドライフを充実させたいのであれば、資格取得はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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